『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-4

■5月26日(金):
今朝の目覚まし時計も野鳥の鳴き声でした。弾丸アンゴラ出張も今日が最終日です。昨日でミッションは無事終了。
今日は、午後のフライトなので折角アンゴラまで来たのだからと、ホテルの送迎バスをチャーターに、ルバンゴの自然の美しさを堪能できるという『SERRA DA LEBA』と『CHRIST THE KING STATUE』を視察して昼食後に空港に向かう事になりました。その前にキャリーケースを集荷してもらい、手荷物を持って朝食場所に集合です。
今朝もシマウマさん達に出会いました。朝食後にチェックアウトして、さあ出発です。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-4★ルバンゴの象徴的な景観地『SERA DA LEBA』は蛇行する道路が山々を縫うように進む壮大な光景で知られています。
標高約1,700mにも堆積岩がせり上がり、雨風で浸食され、谷底まで1,000mの裂け目があり、大自然の力と神秘を感じました。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-4 ★道中で水分補給の飲料を地元スーパーで購入し、クネクネ道を走り『CHRIST THE KING STATUE』に向いました。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-4
★昼食後に少し早めですが14時頃空港に到着しチェックインしました。なんともまあチェックイン時に予約している16時50分発の便は欠航となり、18時20分のフライトに変更なると通達されました。このフライトでもルワンダ22時発のフライトに間に合うので乗れるだけましかなと安堵したのですが、待てども待てども搭乗出来ないどころか、乗る便が到着しないのです。
焦りに焦り、ヒヤヒヤしながら待っていると1時間遅れで飛行機が到着。でも搭乗の準備に時間が掛かり、またもや焦る我々でした。
一番焦っていたのは、中国協力工場K社のSさん。『三木さん、預けた荷物は放棄しましょう。』『Sさん、だめだめキャリーケースを放棄は出来ないよ。』『三木さん、では中身だけでも捨てましょう。』『Sさん、中身を棄てるくらいなら持って帰ります。』と訳のわからん会話。幸いにもお客さんは手荷物だったので、ルアンダ到着後にお客さんだけ先に手配している車で国際線に移動しチェックインして頂き、我々手荷物預け組(Sさん、私、当社社員2人)は手荷物をピックアップ後に手配している車で国際線に移動することにしました。半分以上諦めていましたが、手荷物組のお客さんがチェックイン時に同じグループの4人がもうすぐ来るので締め切りを待って欲しいと頼んだが『それは無理』と言われたそうですが、我々の荷物がでターンテーブルに出てきたのは一番最後(思えば一番最初にチェックインしたので機内の一番奥に積まれてた)。ピックアップ後に手配の車に飛び乗り、その車は信号無視のカーチェイス並みに走ってくれ、駐車場から走ってフルトハンザのカウンターに駆け込みました。職員は我々を待っていてくれたみたいで、無事にチェックインを済ませ、ルフトハンザ職員の先導で、手荷物検査、出国審査を済ませ搭乗出来ました。
なぜ焦ったかというと、このルワンダ➡フランクフルト便に乗れなければ、次の便は翌日の月曜日までなく、土曜日+日曜日+月の夕方までルワンダで過ごさなければなかったからです。帰国できるかルワンダでの3日間足止めになるかは天国と地獄のようなもので奇跡的に帰国出来るという思いでした。ルワンダのF1ドライバー、ルフトハンザ職員の皆さん感謝感謝です。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-4
★アンゴラ国内線の洗礼は先ほど紹介しましたが、もう一つマラリア予防薬マラロンの洗礼を全員が受けました。
最初の被害者は設計者の一人がアンゴラ到着の夜から3日間の強烈な下痢。その次は私が26日の昼から羽田到着までの3日間の強烈な下痢。その次はゼネコンさんが強烈な疲労感と下痢。その次は残りの3人が帰国後に下痢と体調不良になりました。
初めは何かに当たったのかな?疲労が原因かな?と思っていましたが、全員が発症となれば共通するのがマラリア予防薬です。
マラロンの説明時に『仮にマラリアに罹った時の治療薬は何ですか?』と聞いたら、回答は『このマラロンです。』と言っていたので、たぶん、たぶんですが、マラリアの悪玉菌と一緒に善玉菌までやっつけたのだろうと思います。本当に酷い下痢ピーでした。何はともあれ、ミッションを済ませ、全員が大けがすることなく無事に羽田に帰国出来ました。大変大変お疲れ様でした。
次回、アンゴラに訪問する開会があれば、もう少し余裕を持ったスケジュールを組みたいと思います。


◆以上で『今回の紀行』の案内は終了ですが、アンゴラにはアンゴラブラック以外の石種も産出されていたし、現在も産出している石種があるので紹介しておきます。

モカンガ :
1964年に初入荷した粗目の黒御影です。当時は内戦中だったので日本の商社経由で調達でした。
当社が扱い始めた黒御影ではブラックスウェード(スウェーデン産)に次いで2番目です。その後の黒系はブラックティジュカ(ブラジル産)、カナディアンブラック(カナダ産)が入荷し、当時のビルにこぞって採用されました。
残念ながらこの銘柄は現在採掘されていません。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-4ライトブルーライトグリーン :
HPには現在非公開です。1964年に初入荷したアンゴラ産大理石です。当時は内戦中だったので日本の商社経由で調達でした。
同時期にモカンガと入荷しています。その後もライトグリーンは順調に入荷しましたがライトブルーは僅かしか入荷していません。
残念ながらこの銘柄は現在採掘されていません。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-4ミクスドレッドピグメント :
1964年に初入荷した粗目の赤御影です。
1964年以前に扱っていた赤御影はスウェ―デン産のインペリアルレッドやインド産のセンチネルレッドなど5~6種程度です。内戦の関係で入荷量が少ないため施工例も少ない石種です。残念ながら現在は採掘されていません。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-4アンティークブラウン :
丁場はアンゴラブラックと同じウィラ州です。昨年5月のアンゴラ訪問時には一時休止していたので訪問しませんでした。現在は再稼働しています。
当社がこの石種をラインナップに加えたのは2015年からです。深みを感じるダークブラウンの色合いで柔らかさを感じる上品な石種です。私は本磨でこそこの石の特性が生きると思っていて、多量な部位よりもカウンターや什器、洗面台等に適していると思う石種です。
ただ、柄の大きさにムラがあり、白線が混入するなど難しい石質も持ち合わせています。『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-4
ブルーインザナイト :
丁場はアンゴラブラックと同じウィラ州です。アンティークブラウンと同様に昨年5月のアンゴラブラック丁場訪問時には一時休止していたので訪問しませんでした。現在は再稼働しています。
当社がこの石種をラインナップに加えたのは2013年からです。一見、アンゴラブラックのように見えるがアンゴラブラックと同程度の色目に3~7mmのブルー粒が部分的に散らばっているのが特徴の石種です。上部からの照明の光が当たるとブルー粒が際立ち非常に綺麗です。
ただし、ブルー粒混入量は原石毎で異なるので出来るだけブルー粒を多く含んだ原石の選出が重要です。
『丁場紀行』アンゴラ丁場紀行 No.12-4
今回の丁場紀行は、当初7ページ位になるかな?と書き始めましたが、皆さんにアンゴラという国を少しでも多く紹介したい、満喫して頂きたいという思いに駆られ、情報や出来事や写真が多くなり、最終的には今までで一番長い14ページになってしまいました。
書いた本人が一番疲労困憊になりましたが、この辺で『アンゴラ丁場紀行』を終了します。
今回の丁場紀行作成でアップアップだったので、次回は何処の丁場紀行をお届けするか決めておりませんがお楽しみにして下さい。

ありがとうございました。

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