『丁場紀行』インド丁場紀行:前編 No.3-1

今回で『丁場紀行』3回目の発信となりました。 
本来なら丁場視察(調査)出張の度に、その視察の『丁場紀行』を案内したいのですが、世界的なコロナ問題で、昨年2月以降は海外出張に行けておりません。よって、今回は『インド 丁場紀行』を過去の視察を振り返りながら『インド 丁場紀行 前編』ご案内したく思います。 
*インド丁場紀行は長編になるので、前編(1989年)と後編(2019年)に分けて案内します。

初めてのインド出張は、1989年3月です。その後 インドには縁があり、現在まで合計15回もインドを訪れています。しかしながら何回訪問しても、インドの入国空港に到着する度に独特の匂いで『あ~~あ、またまた来てしまった。』と本人は落胆していますが、同行した人から見るとインド丁場巡りということでワクワクして目が輝いているらしいです。

まず、インドを理解して頂くための基礎知識 【詳しく知りたい方は、ネットでWikipediaをご覧ください。】 
・正式国名 : インド共和国 〔Republic of India〕 
・面積 : 約329万km2 〔世界第7位〕 
・人口 : 約13億7000万人 〔世界第2位、2019年時点〕 
・首都 : ニューデリー
・宗教 : ヒンドゥー教徒 80.5%、イスラーム教徒 13.4%、キリスト教徒 2.3%、仏教徒 2.3% 
      スィク教徒 1.9%、ジャイナ教徒 0.4%、その他宗教 0.7% 
・行政区分 : 28の州と8つの連邦直轄領及びデリー首都圏から構成 
・言語 : ヒンディー語が連邦公用語で人口の約40%占める(話せる)、英語は補助公用語。 他に
      憲法公認21州の言語と844の方言がある。*同じインド人でも州が違えば通じ合えない場合が多い。
・通貨 : ルピー(Rupee)  1ルピー=約1.45円 
・4大都市 : ムンバイ(商人の都市)、デリー(政治)、コルタカ(港)、チェンナイ(工業)
・起源 : 約4,500年前のインダス・ガンジス文明 
・カースト制度 : 約3,500年前に白人系のアーリア人が南下し、支配階級となったが、時間の経過とともに混血が進んだため、混血防止のためカースト制度(ヒンドゥー教における身分制度)を導入した。
基本的な分類(ヴァルナ)は、階級上位からバラモン(司教)、クシャトリア(王族)、ヴァイシャ(市民)、シュードラ(労働者)の4階級で、分類に属さない人々もおりアチュートと言う。『不可触民(アンタッチャブル)』とも訳される。この身分(戸籍)を持たない人々がインドには1億人とも2億人とも正確にわからな程暮らしている。 
・入国ビザ : 1989年の初入国時は商用ビザ(1年間有効)を取得しました。その時代はビザ申請に予防接種を受けた証明書(イエローカード)が必要だったと記憶しています。
現在は、数多くのビザがあります。私は2年前までは商用ビザを取得していましたが、現在は商用ビザの申請が厳しくなった(特に招聘状)ので、観光ビザ(観光eーVIZA:1年間有効)を取得しています。
*仕事で丁場を訪問していますが、現地で購入する事はなく、視察調査するだけなので観光と同じと自分で解釈し、毎回入国していますが、同じビザで数回入国する場合は、毎回イミグレーションで何やらかんやらと質問されます。英語でのヤリトリですが、下手に話すと更に深く質問されるため得意でない英語を活かして『私はインド文化が好きなんや。インド人が好きなんや。インド料理が好きなんや。インドが好きだから何回も観光に来るんです。』と訴えたら『OK、分かった。』となっています。

『丁場紀行』インド丁場紀行:前編 No.3-1

前置きはこれ位にして本題に入ります。

1970年代前半の御影石のマーケットは現在とは比べようがないほど小さく、その上に産地はスウェーデン、ノルウェーなど北欧で、非常に高価であり、簡単に手に入れられるものではありませんでした。 
ここに登場したのがインドです。墓石用の黒御影石を探していた商社が、インド南部でスウェーデン黒御影に遜色ないインド産黒御影を見つけました。以来インド黒は日本の墓石市場を席捲することになりました。
一方、建築石材業者が着目したのが黒ならぬ赤御影。スウェーデン産(インペリアルレッド、トラナスルビン等)は高価な上に産出量も少なかったのです。当時根強かった赤御影の需要を背景に探し当てたのがインド産赤御影でした。最初に輸入されたの銘柄は目の細かな黒味の少ないマガディレッドで、その後インド赤御影の標準的銘柄として有名になるニューインペリアルレッドとは風合いの違うものでした。

その後、インド南部が地質学的に古い地域=多種多様な御影石を産出するエリアである事が分かり、様々な銘柄が見出されることになりました。と同時に北欧産より価格がリーズナブルだったことも、インド材が普及する大きな理由で、当社もインドの丁場に訪問する機会が増えました。 

参考に、現在はインド産のニューインペリアルレッドを『ニューインペ』、本家本元のスウェーデン産は敬意を込めて、『本インペ』と称する場合が多い。

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